『知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展』

 「また見つかった、
       ――― 永遠が。」

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ジャコメッリの展覧会のフライヤーには
この印象的な一文が掲載されています。


アルチュール・ランボオの「地獄の季節」からの一文。


フライヤーで使用されている写真、
『私には自分の顔を愛撫する手がない』は、

ランボオの詩と同じく、
一度みたら忘れられない、
見るものを揺さぶる、
大変に雄弁な写真です。


全てを白く包み込む寒い雪の日、
神学校の生徒達は黒いコートをまとい、
手をつなぎ輪になって踊る。

白と黒は永遠に交わることは無く、
ただそこで、くるくると回り続ける。

その「永遠」を歌う詩、
その「永遠」を指し示す写真。

あぁ、ここに「永遠」がある。
久しぶりに衝撃を受けました。



ジャコメッリは生涯、印刷業に携わった写真家です。

すっごく大きなくくりで言えば
印刷物は、白い紙に黒インクで刷る、が基本。

インクの乗るところ=黒、
インクの乗らないところ=白、な訳です。

モノクローム写真の、
感光したところ=黒、
感光しなかったところ=白、と言う世界と

それは同じ「プリント」と言う表現方法。

詩は朗読と言う、
音の世界も持ってはいますが、

詩集に纏められた、
いえ、それより以前に、
詩人によって紙に書き留められた文字も、

黒と白で表現されたものであると言えます。


黒と白、
この最もシンプルな世界から
紡ぎ出される、多様性に満ちた物語…





黒と白。
表現される物語。

これ以上、
削ぎ落とす事のできない、
掛値無しの究極。

それこそが「永遠」。




改めて、モノクローム写真の雄弁さを
ひしひしと感じる展覧会でした。

あー、惜しい!
GWで終わっちゃいますよ…


ギリギリでも是非!
見に行って頂きたいと思います^^



*

ジャコメッリは、ずっと生まれた土地で
撮影を続けた人でもあります。

入江泰吉もそうですが、

そうやって、自分の生まれた土地を
ずーーーーっと撮影できるのって
すごく羨ましい。


「人生の定点撮影」って言うかね、
そういう被写体に巡り逢いたいです、私も。
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by jadegreen_garden | 2008-04-30 00:46 | Exhibition


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