『ヴィスコンティの遺香』


ルキーノ・ヴィスコンティの作品を
意識を持って見たのはいつだったか。

『ベニスに死す』
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』



当時の私には正に「異世界」の話
あの映像の向こうにあるものが何かは
きっと理解の外だった。

篠山紀信の作品をメディアの外で見たことが無かったし
残念ながら積極的に触れようと思いもしなかった。

なのだが。

九段の伊太利亜文化会館でヴィスコンティ生誕100周年記念として
写真集「ヴィスコンティの遺香」からの展覧会『ビスコンティの遺香展』が開催されました。
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全ての展覧会に言える事ですが
その作品を展示するのに相応しい質感というか風格というか
そんなものが展覧会の会場にはあると思っていますが
この作品群と会場はあつらえた様にピッタリだと思いました。

本来の展示方法から考えたら、放射状に立てられたパネルは
見る流れを分断しているようでもあるのですが、
逆に、ヴィスコンティが過ごした、重厚な城を巡る様な気持ち。
ちょっと言い過ぎかも、ですが^^;

でも、この「巡る」感じがイヤではありませんでした。

会場では『ヴィスコンティの肖像』と言う映画も上映されており、
それを見ることにより、私の中で「ヴィスコンティ」と言う人物が
どうしてあの作品を作っていったのかが明確(な風味^^;)に
なってきました。

篠山紀信の写す、どこまでも静寂な、香立つ「遺された物」が
より深く深く、浸透していくようで、
香りによって一瞬で過去の記憶が蘇る如くに
懐かしく悲しいような気持ちになりました。

城になんか住んだことないのにね^^;

今回の写真はhpの大判インクジェット出力だそうです。
顔を近づけてみたり、遠のいてみたりして、
その「威力」を存分に味わってみました。

紙焼では限界のサイズを悠々と超え、
クォリティは決して落とさない。
「プリント」の世界は決して劣るものではなく
探るべき「新世界」なのだとまた実感しました。
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by jadegreen_garden | 2007-08-04 02:13 | Exhibition


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