『フンデルト・ヴァッサー展』

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もしかして初めてじっくり行ったかも。
日本橋の三越。
地下鉄駅直結のアクセスの良さ。
そんなところで開催ですね、
フンデルト・ヴァッサー展

平日のその日、午後半休で行って来ました。
(その後は由紀さおり&安田祥子コンサートへ^^)

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彼の手がけた多くの表現の中で、
特に私が惹かれたのは、日本の木版の技術者、
つまり、彫師、摺師の手を経て生み出された木版画たち。

作品の版面のその欄外にも多くの情報があり、
手がけた人たちの責任と誇りを感じれるその欄外こそが、
その作品をより魅力的にしていると感じます。

私もシルクスクリーンを作成するときには、
いつもその周りの余白のことを考えます。
その白い、場合によっては刷る紙の地色や質感を如何に生かすか。
その空白あってこその作品作りにずいぶんと拘ったものです。
額装する時にもその欄外を生かすようにマットを嵌めたり。

過去のそう言ったことを思い出しながら作品に見入っていました。

木版画作品が馴染む理由のもう一つは、
きっとその色の発色っぷり。
刷りによる均一な、またあえて技として、まだらに表現している様子も
その制御された色たちにどこか安心感を覚えるからかも知れません。

彼の手書きによる多彩な表現は、まさにあふれ出る色の洪水。
渦を巻く色と形に翻弄されそうになります。

その色の奔流は一体どこから来ているのか。
その答えの片鱗を垣間見ることができたのは
40分に渡る映像「雨の日」です。
ドキュメンタリーであるのに、物語のようであり、
映像作品でもある。

冒頭、ヴァッサーが凍った川面に頬を寄せ、
氷の下で春を待つ雪解けの水が激しく流れている様に
彼が見入っているシーンが出てきます。

その音、
厚いところと薄いところの氷越しに見える流れる水。
その一瞬たりとも同じ表情がない、変化し続ける、
言葉にできない色。
あれが彼の「色」なのだとわかりました。

彼にとって水、雨というものは、
全ての根源に繋がる重要なファクター。
フンデルト・ヴァッサーというのは、英語で言うなら「Hundred Water」、
つまり「百水」。
私が好む木版作品の欄外にも「百水」と言う押印があり、
「雨の日」という判まで押してあるのです^^


*


そもそも彼を知ったのは移動中の飛行機の中。
その機内誌の特集でした。
ウィーンにあるフンデルト・ヴァッサーハウスは、
ガウディしか知らない私にとって、ある意味衝撃でした。
こんなにユニークな建築をしてしまう人がいたなんて!
世界は広く、自分の視野の狭さを思い知る瞬間でした^^

また、イロイロな意見も多いようですけども、
大阪・舞洲の清掃工場も彼の設計。
日本にも彼の渦巻きあふれる色のほとばしりを感じることのできる施設があろうとは!
内部を見学できるそうなので、いつか行って見たいとおもいます。


子供のような、哲学者のような。
自由で頑固で純粋で。
誰にも何にも迎合しないその思想。

私が一生かかっても得ることのできない、
憧れの姿、かもしれません^^
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by jadegreen_garden | 2007-03-08 01:11 | Exhibition


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