今日は一人で電車で来ました、 Izu Photo Museum。 バルナックライカをお供に 道中から期せずしてお花見です。 天気も良くて幸せだわー。 写真展は今日からのスタート。 今回の展示作品である「ヴァナキュラー写真」の コレクターで研究家のジェフリー・バッチェン氏の講演を聴きに来たのです。 ちょっと早めにやって来て、 美術館のある複合施設クレマチスの丘で 少々リッチにイタリアン中。 桜の咲く庭園を大きな窓から見下ろしつつ、 近年稀に見る贅沢時間を過ごして 思わず寿命も延びそうな心持ちです。 腰痛だ、不整脈だわを忘れていい気分(^_^) たまにはこうでなくちゃね! *** ヴァナキュラーを訳すと「ある土地に固有の」となる。 アートとしての(美術館で飾られる)写真の対岸に位置する、 日常的で、地域の文化や概念、死生観から発生する、 写真史から「忘れられた写真」という物。 それらを数多く見ることの出来る展覧会で、 どこか落ち着かない、ザワザワした気分になりながら、 この感覚を私は知っている、と腑に落ちていた。 展覧会会場の「ごあいさつ」に 「例えば古代エジプトのミイラのように、 過ぎ去り行く時間の流れへの抵抗と外形の永続という課題は、 古来から重要なものであり続けていますが、 19世紀半ばに発明された写真は、 今日そのような人間の欲望に応える一つの手段となっているように見えます。 全ての肖像写真は、そこに写っている人よりも長くこの世に留まるために、 潜在的には遺影だといえます。」 (IZU PHOTO MUSEUM館長 岡野晃子氏) 1枚の写真と対峙した時、 その現されている像は全て過ぎ去った時間そのものであり、 今現在見ている私に、あたかも(それが本当に死んでいてもそうでなくても) 生き生きと生きているような姿を見せている。 それはまた、故人の死者の国での生をも感じることが出来る。 もはや見ている人をも含んで、 過ぎ去った時間、こらからそうであろう時間を体感させる、 「装置」としての機能をもつ写真というもの。 「悦楽と狂気」と、批評家ロラン・バルトが言っていたように、 その離れがたい呪術のようなパワーに、完全に取り込まれている。 それは人が根源的に求めているものであろうから、 今、私はこうしているのだろう。 そうしてまた写真機を持ち出して、シャッターを切るのだ。
by jadegreen_garden
| 2010-04-03 14:26
| Exhibition
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